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妊婦さんのお悩み:妊娠中の下肢静脈瘤の原因・症状・予防と対応

静脈瘤とは・・・
静脈の一部がコブ(瘤)のように膨らんでいたり、そのコブのようなものがにつながって青や赤紫色に浮き出て蛇行していたりするものです。
細い静脈がクモの巣状に赤っぽく見えるものもあります。
   

【症状】鈍い痛み、だるさ、かゆみ、熱感、疲労感、こむら返りなど
 *外見上だけでそれほど症状を感じない方もいます。

【部位】ひざの裏、ふくらはぎ、太もも、外陰部、腟の中、肛門
 *肛門にできたものがイボ痔!  
 *痔についてはこちらをご覧ください  
 *外陰部静脈瘤はこちら

【原因】
静脈にある血液の逆流を防ぐ逆流防止弁がうまく働かなくなり、逆流したり流れが悪くなったりして滞ることによっておこる。
妊娠中は血液の量が増え、ホルモンの働きにより血管も緩み、弁の働きが鈍くなります。
また、子宮が大きくなって血管を圧迫するため、特に下半身から心臓へ戻る静脈血の流れがさらに悪くなりがちです。

  

【静脈瘤のできやすい人】
 ・長時間の立ち仕事をする方
 ・下半身の筋力の弱い方
 ・高齢出産の方
 ・多胎妊娠の方
 ・経産婦さん
 ・肥満、肥満気味の方
 ・喫煙者
 ・便秘がちな方

こうした方になぜ静脈瘤ができやすいかの説明は、ここでは省略させていただきますね。

妊婦さんの10~20%が起こすとされている静脈瘤は、高齢の妊婦さんや筋力の弱い方が増えてきたことによって、発生率も上がってきているようです。

妊娠中に治療することはほとんどない静脈瘤ですが、外見上も気になりますし、症状も不快なもの。

静脈瘤にならないように、なってしまった場合にはそれ以上の悪化を防ぐように血流を良くして予防しましょう。

【静脈瘤の予防におすすめ】

 ・身体を締め付けないゆったりした服装にする
 ・下半身の血流をよくする
 ・身体を温める
 ・弾性ストッキングをはく
 ・着圧ソックスをはく
 ・五本指ソックスをはく
 ・レッグウォーマーをはく
 ・立ちっぱなしや座りっぱなしを減らす
 ・足を高くして休む
 ・足のマッサージをする(注)
 ・散歩やウォーキング
 ・マタニティヨガなど妊婦さん対象の軽い運動
 ・冷たいものの摂取を控える

妊娠しているという状態自体が身体には負担になっています。
無理な運動はおすすめできません。
運動をする際は、必ず事前にかかりつけのお医者様または助産師さんに相談の上、ご自身の状態に合ったエクササイズを取り入れてくださいね。
*当サロンでは、簡単に行えるマタニティヨガもお伝えしています。
 また、提携しているヨガインストラクターの助産師さんの指導を受けることも可能です。

弾性ストッキングなど身体を圧迫するものも、誤った使用方法をすると逆効果になりかねません。
使用の可否は担当医にご確認の上、正しく着用しましょう。

足のマッサージは静脈瘤に直接アプローチするというよりは、むくみの軽減、血行促進によいとされています。
血流の改善は静脈瘤の予防にもなります。
ご自身でセルフケアとして行っても、パートナーの方にお願いしてもよいでしょう。
足のマッサージ法についてはこちらをご覧ください。
*セルフマッサージ法など見かけることもありますが、私個人としてはセルフケアについても妊産婦ケアに詳しい方より伺ったうえで行っていただきたいと思います。

当サロンでも施術後にお伝えしますので、気になる方はご質問ください。
また、むくみや静脈瘤の気になる方には施術時にスペシャルジェルでのケアも行っております。
施術後の足を見て皆様の驚かれる様子を見るのが私のひそかな楽しみ^^
ボコボコ(隆起した状態の静脈瘤)がほとんどなくなってる!
え?静脈瘤が消えた!?逆の足だったっけ?え⁉どっちの足にもない!
・・・なんてことが起こります。

静脈瘤自体が妊婦さんやお腹の赤ちゃんの生死に関わることはありません。
出産にもほとんど影響はないようですが、静脈瘤のできる場所(特に外陰部)によっては分娩が帝王切開に変わる可能性も否定できないようです。

高血圧や糖尿病などでも血管には大きな負荷がかかります。
これらの病気の予防や、悪化を防ぐことも大切。
規則正しい生活とバランスの取れた食事、適度な運動普段から心がけましょう。

静脈の静脈瘤は悪化すると皮膚の栄養状態が悪くなり色素沈着や潰瘍ができてしまうこともあります。
また、血液循環が悪くなると、発生率は低いのですが血栓が生じることもあります。
深部静脈血栓症、あるいは肺の動脈を遮断して呼吸困難などをもたらす肺塞栓症というものもありますので、気になる症状があれば早めに受診してかかりつけのお医者様に相談されると安心でしょう。。

妊娠中にできた静脈瘤は、産後しばらくすると自然になくなることがほとんどです。
万一その後も症状が続くようでしたら、硬化療法、レーザー治療、手術などの対応ができる専門医にご相談ください。

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